洋食というか、ヨーロッパスタイルのテーブルマナーや所作というのはいろいろなところに資料や手本があるため、わりと気を付けているとどんなものかを知る機会が多い。が、和のマナーというのはいろいろあるのは知っているけど、具体的にどんなことに気を付けていいのか知らないし、一度簡単に流れを知るものに行きたいな、とおもっていたら家人がみつけてきたのが掲題のものだった・・・和マナー美人? という時点で女性向のマナー講座なのだが、和室での所作などに興味があったため、申し込みを依頼した。
そして、行って良かった。靴を脱いでうえに上がる際の所作、ふすまの開け締め、座布団への据わり方、茶会の最初の作法などなど。なんでもないことだったのだが、話を聞いていろいろ教えてもらうと、何でもない事じゃなくなり、生活にいろいろ気が配られる感じがした。家にふすまがないのが口惜しいくらい。
そのあと、茶懐石のコースが実際進む。
向付に手前は飯椀 汁椀 利休箸に、折敷。
折敷の由来は、もともと禅僧は椀を風呂敷のような布にくるんでもちあるいていたそうだ。その後お盆のようになってもその時の名残があるとか。お箸は未使用の場合右側の縁に立て掛ける。使用済みのときは、食べ物の当たる部分を上に向けて左の縁にたてかける。箸はあらかじめ湿らせておくとのこと。これは、箸が料理の汁を吸いこんだり匂いが付きにくいようにするための、心遣いだとか。お椀を持って食べる、箸は右手でまず持ち上げて左手を添えて持ち直す。向付は、醤油のいらない鯵の着いた魚をだすそうだ。茶懐石のメインはあくまで、濃茶(こうちゃ)。
飯と汁の蓋は同時にあける。
付 真子鰈昆布〆 芽紫蘇 莫大海 つる紫の花 山葵 煎り酒
飯 一文字飯
汁 赤味噌仕立て 冬瓜 葦菜 粉山椒 蒪菜(じゅんさい)
一文字飯は、裏千家の形式だとか。御釜で炊いた飯をしゃもじで一文字をつけるとか。ちゃんと調べたわけじゃないけど、そうおっしゃられていた気がする。まだ十分蒸されていない飯をつかうそうです。飯も汁もそれぞれ3回で、交互に頂き平らげる。汁は最初はお出しを啜り、そのあとから具をいただきます。
立派な朱漆の椀。
椀盛 蓮根真丈 人参 素麺瓜 鮑茸 夏大根 柚子
これはうまい。ダイコンと柚子のバランスすばらし。そうそう。お椀の蓋はつまむのではなく掌で進むようにつかんで持ち上げる。
焼物 鱸若狭柚子胡椒焼き
ちゃんと人数分は言っているので、ひとつづつとりわける。取り出すときは、左手を添えてつまむ。大皿などでやってくるものは、まず回す先のひとに”お先に”と一声かけてから、自分に取り分ける。柚子がうまい。夏っぽい料理が続いて涼しげなり。このお皿、持ち手は飾なので普通に両手を添えて、お隣に回す。
炊き合わせ 葛南瓜 小芋 鮎甘露煮 姫おくら 木の芽
ここから、それぞれ1つづつ、自分の取り皿にする器に入れる。それぞれの料理の味付けや細工に夏らしさがあって楽しい。
箸洗い 蓮の実 針生姜
箸洗いは、口直し用名もの。生姜の味が口の中をすっきりさせる。
八寸 畔豆 鱚蝋焼き
畔豆とは大豆のこと。昔は田んぼのあぜ道にうえておいたことからついた名前だとか。蝋焼きとは、卵の黄身を何度も塗り重ねながら魚を焼くそうだ。八寸では山と海の珍味を合わせて、そこでさらにお酒をいただく。といっても、お茶を飲むことが目的なので、ぐいぐい飲んじゃいけない
湯桶 煎り米
御釜にへばりついたおこげからつくられる。これがまた、香ばしい香りがしてうまい。おこめがくずれているため少しお椀に残ったら、それをしたの沢庵できれいにいただく。米は最後まで残すべからず。
香の物 沢庵 きゅうり かぶら 茗荷の刻み
ひさしぶりにうまい漬物をいただきた。沢庵はもっぷのように包丁を入れてあり、最後はこれで、飯椀の細かい飯粒などを全部集めていっしょにいただく。このつけもの類、最強です。
甘味 乱桔梗 お抹茶
こりゃ、すごい細工だ。4分割にして食べるとよいと言っていた。当方は3分割。
最後のお抹茶。なかなくまい。最初は感謝の気持ちをあらわし、90度*2回左手にのせて、みぎてでまわす。そのあとちょっとずつ飲み干した後、また元に戻す。御茶碗には正面があり、おかれたときの位置が正面だとか。そしてのみおわったら、星座の状態ならば肘を膝につけて鑑賞する。こうするのは、茶碗を割らないようにするための心づかいの一つだとか。いろいろ考えられており楽しい。
それ以外に覚えたことは、花飾りと陰陽の話、掛け軸の話、お皿の話、料亭での望ましいふるまい、杯を回すときのルールとその由来はどこかについて、良いお箸の話など。どれも道理がありそれがわかると自然にふるまえる気がした。杯の話は特に奥が深い。どうして、一番下からとって回すか、これは奥が深い。
生き物たっぷり。
カメがよくできている
なぜ、椿山荘が平城遷都1300年祭&せんとくん なんだい?
池をみてから、三重塔。この三重塔は1000年を超えるものらしい。ここに移動してからは、360度それぞれ見えるものが楽しめる。低いことが問題ではない。
湧水の井戸、七福神
滝の裏
通りに風鈴が飾ってあり夏の風情が溢れる
十三重塔
御神木
この講習?は、女性向けでつくられているのだけれども、男がいってもまた楽しい。何より、茶の湯や懐石などに興味があるかどうかによって、きっと楽しめる。何より講師の方の圧倒的な経験と教養をうかがい知ることができ、何年でも勉強して先人から学ぶものが多いことか。その一方でお茶を楽しむための少しの心づかいのようなものをそろりとおしえてもらえる。いまどき、和室での移動やふすまの開け方、靴の脱ぎ方なんて教えてもらえない。それはなんだかもったいないし、自分の自分の国に対する教養のなさにも気が付く。
個人的には、へうげもの、か、大河ドラマの様子が気になる人にはお勧めしたい。崩すにも、崩した良さは、型を知っているからこそだそうです。そういうのがひとつひとつ見て感じてわかるような大人になりたい。
さて、次は家で茶筅で抹茶を楽しむ程度に、お茶を習いに行こうか。
企画した会社のサイト: http://www.ugougo.co.jp/
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