これもメセナだろうか。先々代社長、濱口儀兵衛の三男として生まれた銅版画家浜口陽三の作品を収蔵展示する個人美術館。夫人であった南桂子の作品も所蔵しており、NHKの日曜美術館でみて、なんか随分前に見た覚えが残っていたけど思い出せない感じ。気になりすぎたので見にでかける。
美術館といってもこじんまりとしており、1階と地階にわかれている。全面はガラス張りで夜になると非常に目立つ。外もなかもなんとなく静かな場所で居心地がいい。喫茶が併設されており、空気感を楽しむことができる。
素人目にも非常に手間をかけて削ったであろう。余白というか白が多く色を重ねたものもおおい。一枚一枚はシンプルにみえるけど手の込みようは伝わってくる。それに大変な手間以外に多分作家の個性というか、なんとも言えない間があってそれが惹きつけられる。どこをみているかわからないいきものとか、建物・林、それに海の中。
技工に終わらず作家の強い個性を感じられる、芸術に素人の自分にも楽しいひととき。