ブリッヂストン美術館 カイユボット展


自身が印象派画家でありながら、印象派の庇護者としてふるまっていたギュスターヴ・カイユボットを見に行く。写真撮影ができないのは残念だったが、微妙なその立ち位置を知るには良い機会だった。何より彼の作品を理解するうえで参考になったのは、彼がかかわった人物の相関図。マネとゴーガンともめたくだりはとても納得できる。

展示されていたカイユボットの作品は最初のアカデミックな影響を受けているところから順次展開され、彼の印象派ともいえる、たとえブルジョワであったとしても日常を写し取るものがおおく展示される。生活感のある芸術作品はわかりやすいので、門外漢の自分にはうれしい並び。

とはいえ、ブリッヂストン美術館自体がやはり20世紀の美術館だと感じられた。常設展示物も教科書的だった。これは、三菱一号館美術館にも感じたことだった。目新しさやわくわくかんがどうも乏しい。天井が低いせいかな、それとも所蔵作品がいろいろありすぎで拡散しているようにかんじられるからか。