2017年は週末に台風の来る印象の残る年になってしまった。秋以降のレースで天候が崩れたり影響を受けたレースしかなく、秋晴れの気持ち良いレースを感じることは殆どなかった。
週末の天気が悪いことはわかっていたが、台風22号の行方次第で北ブレになれば危険、したぶれになれば風雨は弱くなる、そんな瀬戸際だった。同日開催のFairy Trail(滋賀)は前週の台風21号の影響とロジなど問題も重なって早々に中止を発表。UTMF2016がトラウマかな?とおもえるくらいのスピードで中止が発表された。
同日開催では海沿いで開催する横浜マラソンが土曜日午後5時になって中止を発表。メジャー大会の少ない秋開催にしたのに・・という声がいろいろなところで聞かれた。
土曜日に北陸新幹線金沢経由で乗り換えてサンダーバードに乗り換えて加賀温泉郷駅下車、そこからホテルの送迎バスで山中温泉に向かう。山中温泉についた時点で小雨が降っていた。ホテルから受付のある山中温泉文化会館へむかい、練習会でご一緒していた方とかコーチと話をしながらあれこれ。
部屋に戻りがてら買い物をし、その後部屋に戻ったがコース変更などがあると知らないのは良くないので説明会を聞きにふたたび文化会館へいく。説明会の会場ではつきたてのお持ちを振る舞っていた。きなこもちが特においしい。地域のひとたちの振る舞いからしてなんかスタート十分。
コース説明まで時間がかかったのでもう一度スーパーで買物をしてから戻って説明会へ。台風の進路が予想より遅く影響控えめ?でいけるとのことで迂回路を加えて距離は80kmになったとか。基本的に山は6個くらいのブロックに分かれていて、どこも直登でずるずるになりやすいという説明。内容自体は聞いても聞かなくても変わらないかもという気がしたが、事前に聞いておくと覚悟?ができるのでこれも良かった。
宿に戻って温泉に浸かり身支度を整えて9時前に眠りにつく。次の日は2時過ぎにおきてばたばたと食べたり飲み物を用意したり、体をほぐしたり外の様子を見に行ったり。宿が広いので体を動かして腸を早めにおこすことができてよかった。
しかし、5時のスタートギリギリに会場に到着。宿から1km範囲内なので10分前に小走りで向かって間に合ってしまうのがありがたい。
電子ホーンがなってスタート。すぐに階段があり、そこからやや渋滞。テンションを上げすぎずにゆっくりといけたのがよかった。だんだんと林道からトレイルに変わり、まだ暗いので多くの人がぬかるんでいるようにみえる場所をさけて1列進行のところを横を抜けて進んでいく。寒いし雨だし暗いしであまりみな登りでは動く気配がなかった。
最初の山はシングルトラックでどこは知っているかわからない感じが続く。
最初のエイドでトイレによる。このレース、OSJの中ではトイレが一番多く感じる。その後は下り・・・下り・・・長い下りを経てダムの横を走り富士写ヶ岳のほうへ向かう。足元は泥と水浸しだがガーニーグーがいいかんじでよい。メリノウールのソックスもしっかりいい働きをしているようだ。一旦下って富士写ヶ岳はthe・直登かとおもいきや、ときおり横移動が入る。低い=小さいとおもっていたら痛い目に合うタイプの山のようで、山梨の鶴ヶ鳥屋山をイメージしながら移動した。稜線にでると頂上の看板も見えるが、今日は完走狙いなので頂上は見に行かずコース進行を優先。そして下りが大変だった。ずるずるべたべた、すなまじりの泥は全く足裏が地面に刺さらないので、じっとしていられない。前の人が動いて空間ができたらそこをうめるように下る、のストップアンドゴーの繰り返し。かなり時間がかかってCP1には4時間13分かかった。下りは危なすぎて抜いてもらえるときは喜んで抜いてもらう。かわりに登りを攻める。
CP1ではトイレに寄ってまだ雨具はなしでそのまま進む。天気は小雨とくもりが続いていたが、林道を大日山に進むについれて雨が強くなる。でもまだ体は十分暑いし、雨がやむときもあったので気にしない。切れた電線ポイントを抜けて更に進むと登山口へ。ここでとりついてからガシガシ登る。多分気合はかなりはいっていてここで何人かパスする。
ガイダンスどおり、頂上と思ったら加賀甲という場所の避難小屋・・下りは案の定ずるずるで、大日山周辺が一番滑った。登り返してしばらく稜線をいくとやっと本体の山頂に到達。天気が良ければ・・と思えるような場所の一つだった。
そして、断続的に降りては登りを繰り返しながら小大日に到着し、ここからやっと下り基調といえるルート、だがずるずる。本当にどこまでいっても下りはズルズル。体がどこで止められそうかとか考えながら降りていく感じなのでストップアンドゴーが続く。集中力は珍しく切れずになんとか4時間36分でCP2県民の森の小屋についた。中には焚き火があって当たっている人たちは暖かそうだった。エイドであたたかいそうめんがとても美味しかった。身支度をして再度出発したが今度は登り返しを見逃してしまい、通行止めの道を直進、この区間はめちゃくちゃ気持ちよかったがあまりにもマーキングがなかったので戻ってみた、あ、誰もついてきていない・・・20分ほどロスをしてしまった。再び坂を上がり直してコースに戻る。
峠はロードでもきつくて結構登る。その後の下りがまた足にガンガン響いて痛くなってきた。結局CP2出発から1時間ほどでCP3についた。杏仁豆腐うまし、2個食べてからレインとライトを引っ張り出して三童子山ラインのほうへ向かう。ここが一番コース上雨の影響を受けていてちょっと怖かった。最初の直登は沢になりかけていた。ただ稜線の登って降りての繰り返しは疲れていなければちょうどいいかんじ。きっと晴れていたら楽しいトレイルだったが今日はサバイバルとおもい気持ちを引き締めて立ち向かう。ただすでに足はおわっていたので下りでもそんなにスピードは出せない。
CP4におりたところでこの区間は3時間15分かかった。この時点で13時間30分くらいがすぎており、関門閉鎖まで30分くらいだった。リアイアバスが集まってきていたが、、多分CP4までたどり着いた人は少なかったと思う。このときエイドで此処から先は安全なやまといわれたのだが、もちろんそんな言葉に関係なくズルズルなのは変わらなかった。
鞍掛山は400m台の山だが山自体はけっこう大きめで頂上に上がったあとの移動がとても長く感じられた。また、暗くなってから霧も発生してライトの光が乱反射してしまう。見通せないのでときおり道筋を失っている人をみかけ、正しい道をいっしょにさがしたりなんてところもあった。山を降りるのにかなり時間がかかり、最後の7kmくらいで最終エイド。練習会の知り合いがまたいたので少し話をして家人がゴールしたことを聞く。最後の山は小さいし楽勝ということだったが、やっぱりそんなことはなかった。
最後の山の入口は不安になるくらい遠い。田んぼの脇の道を少しずつ上っていくと突然電子ホーンが聞こえる。どうやら地元のおじさんらしく、いろいろおしえてくれるが指示がおおすぎて全部は覚えられない。ただ、ここの入り口は紐がないと登れないように設計されていた・・
上半身をつかってひっしにしがみついてからは割りと走りやすい感じの道に合流する。そこからさきはたしかに楽なんだが、下りは苦しかった。激しく滑りすぎて尾てい骨のあたりをしたたかに打ってしまい一週間以上たったいまでも痛い。
おわったところで林道にでてそこをしばらくでると宿の裏側の川辺にでてきてから、最初の溝で足をはめた(苦笑)。安定した地面に安心している場合じゃないなぁとおもいながら気を取り直してこおろぎ橋を超えてあとはゴールまで川端の道を進む。雨がかなり強くて石畳は滑りまくる。最後の直線で誘導の人が大きく手を降っているのが見えたので再起動をしてスピードを上げる。やっとこさゴール、で16時間35分くらいかかった。当初は13時間台を目指していたがこれは何があっても乾燥しなければならないと決めて進んだのがサバイバルレースで生きて戻ることができた。
ゴールしたらカレーと思っていたが残念ながら終了していて、豚汁を2杯頂いた。お味噌が上品な気がして金沢は京都に近い印象を受ける。
今回は課題としていた補給はすごくうまくいった。今まで補給しなさすぎていたことがわかった。あとはペースのコントロールも走れなくなるまでは悪くなかった。補給できる程度のペースを意識して、あとは上りはガシガシだけきめていた。下れないとおもったからだったけど、分配としては良かった。あとは足が冷えてしまったときの対応方法とか緩和方法は課題がある。それとドロ滑りのみちの対応方法。もっとすべってもよかったかな。
色々得るものが多くて楽しかった。でも次は晴れた秋の空のもとでこのレースに出たい。
台風22号の進路:http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/data/typhoon/T1722.png
サイト:http://www.powersports.co.jp/osjtrail/17_yamanaka/
この日の装備
シューズ Salomon Speedcross Pro
ザック The North Face TR-6
ウェア:Finetrack PowerMesh, TNFのレイン上,Ijinji-Outdoor, CEP,UAのパンツ
グローブ: Salomon
ジェル:混成軍(PowerGel, MAG, メダリスト)x15
水分:ハイドレ1.2L, フロントSalomon ソフトウラスク500x2(グリコの粉入り)
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